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任天堂らしからぬ宣伝スタイルは、功を奏するのか? 「風のタクトHD」TVCM&キャッチコピー分析

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9月26日に発売されるWii U用ソフト
「ゼルダの伝説 風のタクトHD」テレビCMが公開されました。

良い意味で、任天堂らしからぬ宣伝方法・キャッチコピーが気になったので
分析・紹介してみたいと思います。

◆小難しい印象のあたえる要素を排除したCM


「風のタクトHD」特別版TVCMを紹介しました。

グラフィックの美しさ、
なめらかに動くアニメーションのような画面、
そして物語を口当たりよく紹介しています。

よく言えば、映画を宣伝するときのような構成ですね。
わるく言えば、そのゲームらしさや遊びを伏せた構成だと思います。

最近の任天堂のCMに共通していた
欠点(弱点)に目をむけてみましょう。

たとえば、「ピクミン3」のCMでは
段取り力がものをいうゲームだという説明をしています。

たしかに、段取り力を発揮できるか否かが
「ピクミン3」の醍醐味ではあります。

ですが、何も知らない人が聞いたら
「自分は段取りに自信がないから、楽しめないだろう」と
敬遠する可能性があるメッセージを伝えてもいるわけです。

実際は、のんびりマイペースに遊べるゲームだったわけですが。


「風のタクトHD」のCMでは、物語や遊びについての説明が
じつに曖昧な言葉で表現されています

映像のうつくしさで魅せて、
消費者の想像力をかきたてることを目標にしているんですね。


◆「遊べるアニメーション」という言葉にこめた戦略

「風のタクトHD」のキャッチコピーは
「遊べるアニメーション」です。


店頭で配布がはじまっている「風のタクトHD」パンフレットにも
「遊べるアニメーション」の文字が書かれています。
「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」では、
「濃密ゼルダの世界」という言葉をつかって
その素晴らしさを表現しようとしました。

長時間拘束するゲームではないけれど、
深いゲーム体験ができるよ、というメッセージがこめられていました。


消費者は長時間拘束するゲームを嫌がりましたが、
「濃密」というキーワードにも惹かれなかったようです。

「風のタクトHD」のCMでは、
「謎をときあかせ」「武器を取って立ち向かう」といった
ありがちな表現をわざと使っています

「ゼルダの伝説」らしさを先に伝えるのではなく、
遊んでから実感してもらう作戦にきりかえたということです。

「動くアニメーション」という言葉に心を惹かれた人に、
まずは触ってもらおう、
そのあとに「ゼルダの伝説」らしさを知ってもらおうという作戦なのです。


◆消費者に誠実である、という難しさ


面白いゲームを作って、
その面白さを宣伝で具体的に伝えて
消費者に購入してもらう・・・・・これが本当にむずかしい。

いまの時代、面白いゲームを買ってもらうという
単純な構図が成り立たなくなってしまいました。


消費者をだますような宣伝手口の商品がヒットしてしまうことが多く、
馬鹿らしいなあと腹が立つこともあります。

ゲームファンでさえそうなのですから、
ゲーム開発者はもっと悔しい思いをしているはずです。


「風のタクトHD」のCMは、消費者の心を揺り動かすことに
フォーカスして作られています。

「このゲームが欲しい」と思ってもらうよりも、
「自分でアニメを動かせるから、欲しい」と思ってもらう

任天堂らしい、
ゲームの醍醐味を伝えるCMではないですが、
商品にこめられた誠実さはいつも通りだと思いますよ


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