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【ゲームボーイ25周年】開発途中に人生最大の失敗が・・・!? 産みの親・横井軍平さんが語る「開発エピソード」や「想い」をふりかえる

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2014年4月21日は、携帯ゲーム機「ゲームボーイ」が発売されてから
25周年目となる記念すべき日です。

ゲームボーイの開発途中をふりかえったときに
「あれは私の人生最大の失敗です。一時期は真剣に自殺することを考えました」という
ショッキングな言葉がとびだすほど、一波乱があったのでした。


今日はゲームボーイ25周年を記念して、横井軍平さんの
開発エピソードとゲームボーイ開発時の想いを取り上げてみようと思います。



※参考文献は「横井軍平ゲーム館 RETURNS ─ゲームボーイを生んだ発想力」です。

◆価格はファミコン以下でなくてはならなかった=モノクロ液晶の採用


電卓につかわれているシャープの液晶パネルを利用した
携帯ゲーム「ゲーム&ウォッチ」を大ヒットさせ、
10年間開発にたずさわり続けた横井軍平さん。

さらに任天堂がファミコンを大ヒットさせている最中、
ゲームボーイの開発にとりかかります。


「ゲーム&ウォッチ」は1台につき1種類のゲームしか遊べなかったのですが、
ゲームボーイはカセットを取り替えれば
ゲーム機を買い足さなくてもいろんな種類のゲームが遊べるようになりました。


ゲームボーイはゲーム機としての性能も「ゲーム&ウォッチ」よりも高く、
さらに液晶画面もつけなければいけません。

普通に製造したらファミコンよりもコストがかかってしまうのですが、
世間は「ポケットに入る程度のゲーム機がなぜファミコンよりも高い値段で売られているのか」と反応してしまう、横井さんはそう考えました。


横井軍平さんといえば"枯れた技術の水平思考"
というアイデアのひねりだし方や個々の開発エピソードが有名ですが、
ビジネスセンスがかなり鋭かったことが分かります。

物をつくる側の人間が、物の売り方まできっちり考えて逆算して作る
なかなか出来ることじゃないですよね。


◆ゲーム&ウォッチの成功体験が仇となった、液晶開発の大失敗


ゲームボーイの液晶は、ゲーム&ウォッチから馴染みのある
シャープと組むことになりました。

ゲーム&ウォッチのときのように、
斜め下5度から見やすくなる液晶モニターを
試作品で作りました。

ゲーム&ウォッチ制作の時の癖が抜けていなかった横井さんは、
その試作品に即OKを出してしまいました。


このときの横井さんの振り返ったときの言葉を、
そのまま引用してみたいと思います。

任天堂というのはちっぽけな会社だったですけど、
ゲーム&ウォッチとかファミコンとか出てきて、
周りの見る目が違ってきていた。 
そんな任天堂の部長が「OK」と言うことは、
どれほど大きな意味を持つかというのが後からわかりました。 
私が「OK」といった途端に、シャープは四十億円かけて
専用の工場を作り出しちゃった
んです。 
で、あるとき社長が試作品を見たら
「なんだこれ。見えへんやないか」と

確かに真正面から見ると画面がよく見えないのですね。
社長は「どうすんや、これ。こんな見えへんの売れへんぞ。
もう、売るのやめや」と。がく然となりました。

その後、横井さんやシャープの皆さんの尽力の
甲斐あって無事にゲームボーイは発売されました。

横井さんは食事がまったくのどを通らないほど悩み苦しみ
責任の全てを背負う覚悟をなさっていたのでした。


◆ゲームボーイの開発にこめた"想い"


横井軍平さんは、はやくから
ゲーム業界の限界を指摘し続けていました。

ゲームの本質に戻らなければいけない、
そう考えたすえにゲームボーイとバーチャルボーイの
開発にとりかかっていたのです。

ファミコンやゲーム&ウォッチ、ゲームボーイの世界では、
一生懸命新しいゲームを考えるという姿勢があったんです。
向こうが碁を考えたら、こちらは将棋だというようなね。
ところがある程度まで行ったら、やることがなくなってきた。
そうすると、テレビゲームは、色をつけたら新しさが出るんではないかという動きになった。
(中略)
やっぱりゲームの本質はアイデアなんで、「アイデアが出てこない」というのは
単なるアイデアの不足なんですね。
ところが、テレビゲームにはそのアイデア不足の逃げ道があった。
それがCPU競争であり、色競争
なんです。


アイデアがなくなったらゲーム機の性能をあげればいいという考え方を、
チクリと批判なさっている横井さん。

この横井さんの哲学はDSとWiiの開発のヒントになっており、
任天堂は起死回生の大ヒットを連発することになったのです。


ゲームボーイに関するエピソードは、
任天堂 “驚き”を生む方程式
ニンテンドー・イン・アメリカ: 世界を制した驚異の創造力」でも読むことができます。

「ニンテンドー・イン・アメリカ」では、
第二の本拠地ともいえるアメリカでの任天堂の歴史を知ることができる
貴重な1冊ですよ。


また、ニンテンドードリーム2014年6月号には、
ゲームボーイ生誕25周年の特集が掲載されるそうです。
買うっきゃないですね!


最後まで目を通していただき、
ありがとうございました。


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Nintendo DREAM (ニンテンドードリーム) 2014年 06月号 [雑誌]
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