Nintendo Digital Event(2014年E3)で
魅力的なWii Uの新作ゲームが一気に公開されました。
ゲーム内容の作りこみはもちろんのこと、
高精細なグラフィックにも期待できそうなソフトが多かったですね。
今日はWii Uの「ゼルダの伝説」最新作、
「タッチ! カービィ(Kirby and the Rainbow Curse)」、
「毛糸のヨッシー(Yoshi's Woolly World)」のグラフィックについて考察してみました。
◆「ゼルダの伝説」最新作の場合:
2014年E3にあわせて公開された
「ゼルダの伝説 最新作」の映像です。
1分40秒辺りからゲーム画面が写りますので、
急ぐ人はスキップしてご覧ください。
キャラクターのアニメ調の表現や、カメラワーク演出が
スタジオジブリの影響を色濃く受けています。
「ゼルダの伝説」最新作は、
アニメ映画のような世界観を目指してつくっているのです。
初代「ゼルダの伝説」のような
上下左右どこへ行っても広大な世界を広がっている、
そんな風景をWii Uの性能で実現しようとされています。
しかしながら、オープンワールドの先駆者である
「グランド・セフト・オート」「スカイリム」のような
フォトリアル(写実的)な表現を用いていないのが特徴です。
Wiiで発売された「ゼルダの伝説 スカイウォードソード」も、
同じく写実的なグラフィックではなく、
キャラや背景が水彩画のように表現されたステキな作品でした。
Wii U版の最新作の内容は不明ですので、
「スカイウォードソード」の演出を例にして考えてみようと思います。
「スカイウォードソード」ではリンクが溶岩に落ちたときに
漫画のようなコミカルなアクションをとります。
「ゼルダの伝説」の主人公リンクは頼もしい勇者ですが、
同時にバタ臭さやユーモアも感じさせる優しい青年でもある、
制作スタッフさんはそう認識しているわけですね。
それが溶岩に落ちたときのリンクの演出につながっているのです。
もし「スカイリム」のような路線でグラフィックをつくったら、
リンクが溶岩に落ちたときの表現はどうしようとするでしょうか。
苦しそうでほとんど声がでない、
皮膚や服がとけてダメージを喰らっている様子を
リアルに表現しようとするかもしれません。
「ゼルダの伝説」は老若男女のプレイヤーが遊ぶ
楽しくって本格的なアクションアドベンチャーゲームです。
その意識どこかに置いていかないためにも
グラフィック表現とそれに付随する演出をどうするかが
とても重要になってくるわけですね。
細かい表現の積み重ねが、
ゲームの世界をつくりあげるのだと思います。
またフォトリアルな方面にグラフィックを作り込むと
画面が暗くなり迷いやすくなる、
ナゾ解きに必要な要素が分かりにくくなるという側面もあります。
※「社長が訊く」参照
すっきりと見渡しやすいアニメ風のグラフィックは
「ゼルダの伝説」初心者を気遣って生まれてきたのかもしれません。
◆「タッチ! カービィ」の場合:
2014年E3にあわせて公開された
「タッチ!カービィ(Kirby and the Rainbow Curse)」の映像です。
本物のクレイアニメのような、
粘土の質感が面白いですね。
DSの「タッチ!カービィ」を高精細な画質にしても良かったはずなのですが、
あえて粘土のような表現を選んでいるわけです。
Wii U版「タッチ!カービィ」の試遊映像を見ていたときに気がついたのですが
プレイヤーが描いた線にそって動くため、
物理の法則を無視して動いていきますし
ときに無茶な変形を起こしたりもします。
垂直に描かれた線にそって
粘土カービィがよじ登っていく様は
なんだか愛嬌が感じられました。
綺麗なグラフィックで不自然な動きが頻発すると
違和感が生じやすいのかもしれない、と思い至りました。
カービィがまっすぐに進んでいなくても
妙な動きをくり返していても
粘土でできた世界観だと味になり、
画面に馴染みやすくなっているのですね。
ゲームシステムからくる"動きの不自然さ"を
グラフィックの工夫でフォローしようとする試みではないかと予測しています。
◆「毛糸のヨッシー」の場合:
2014年E3にあわせて公開された
「毛糸のヨッシー(Yoshi's Woolly World)」の映像です。
「毛糸のカービィ」を制作したグッド・フィールが
毛糸の世界観のヨッシー作品を手がけています。
「毛糸のカービィ」で培われたセンスと技術が
さらに磨き上げられているようです。スゴイですよね。
ヨッシーが主人公のゲームは
3DSとWii Uで2本同時に制作されていました。
近日発売予定の「ヨッシーNewアイランド」と
Wii Uの「Yoshi's Woolly World」です。
両作品ともグラフックの創意工夫が見られます。
「Newアイランド」は画用紙に水彩で描かれたような風合い、
「 Woolly World」ではすべての要素が毛糸できている世界。
両者には決定的なちがいがあります、
それはグラフィックの工夫が
ゲーム性に結びついているか否かという点です。
「Woolly World」は毛糸をつかった演出が
アクションゲームの面白みに繋がっています。
毛糸をほどいて通路を作る、
敵に毛玉をなげつけると毛糸がまきつくなどなど
毛糸というアイデアからうまれてきた可愛らしい演出とアクションのテンポが素晴らしい。
「毛糸のカービィ」開発時のノウハウが活かされており、
完成度のたかいゲームにしあがっていることでしょう。
一刻も早く遊んでみたい、そういう思いに駆られました。
アクションゲームが苦手な人にもすすめたくなる温かみのある世界観は、
今のゲーム業界にとっては貴重な存在ですね。
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魅力的なWii Uの新作ゲームが一気に公開されました。
ゲーム内容の作りこみはもちろんのこと、
高精細なグラフィックにも期待できそうなソフトが多かったですね。
今日はWii Uの「ゼルダの伝説」最新作、
「タッチ! カービィ(Kirby and the Rainbow Curse)」、
「毛糸のヨッシー(Yoshi's Woolly World)」のグラフィックについて考察してみました。
◆「ゼルダの伝説」最新作の場合:
キャラや世界観を堅苦しくつくらないために
2014年E3にあわせて公開された
「ゼルダの伝説 最新作」の映像です。
1分40秒辺りからゲーム画面が写りますので、
急ぐ人はスキップしてご覧ください。
キャラクターのアニメ調の表現や、カメラワーク演出が
スタジオジブリの影響を色濃く受けています。
「ゼルダの伝説」最新作は、
アニメ映画のような世界観を目指してつくっているのです。
初代「ゼルダの伝説」のような
上下左右どこへ行っても広大な世界を広がっている、
そんな風景をWii Uの性能で実現しようとされています。
しかしながら、オープンワールドの先駆者である
「グランド・セフト・オート」「スカイリム」のような
フォトリアル(写実的)な表現を用いていないのが特徴です。
同じく写実的なグラフィックではなく、
キャラや背景が水彩画のように表現されたステキな作品でした。
Wii U版の最新作の内容は不明ですので、
「スカイウォードソード」の演出を例にして考えてみようと思います。
「スカイウォードソード」ではリンクが溶岩に落ちたときに
漫画のようなコミカルなアクションをとります。
「ゼルダの伝説」の主人公リンクは頼もしい勇者ですが、
同時にバタ臭さやユーモアも感じさせる優しい青年でもある、
制作スタッフさんはそう認識しているわけですね。
それが溶岩に落ちたときのリンクの演出につながっているのです。
もし「スカイリム」のような路線でグラフィックをつくったら、
リンクが溶岩に落ちたときの表現はどうしようとするでしょうか。
苦しそうでほとんど声がでない、
皮膚や服がとけてダメージを喰らっている様子を
リアルに表現しようとするかもしれません。
「ゼルダの伝説」は老若男女のプレイヤーが遊ぶ
楽しくって本格的なアクションアドベンチャーゲームです。
その意識どこかに置いていかないためにも
グラフィック表現とそれに付随する演出をどうするかが
とても重要になってくるわけですね。
細かい表現の積み重ねが、
ゲームの世界をつくりあげるのだと思います。
またフォトリアルな方面にグラフィックを作り込むと
画面が暗くなり迷いやすくなる、
ナゾ解きに必要な要素が分かりにくくなるという側面もあります。
※「社長が訊く」参照
すっきりと見渡しやすいアニメ風のグラフィックは
「ゼルダの伝説」初心者を気遣って生まれてきたのかもしれません。
◆「タッチ! カービィ」の場合:
動きの不自然さを味わいにかえる
2014年E3にあわせて公開された
「タッチ!カービィ(Kirby and the Rainbow Curse)」の映像です。
本物のクレイアニメのような、
粘土の質感が面白いですね。
DSの「タッチ!カービィ」を高精細な画質にしても良かったはずなのですが、
あえて粘土のような表現を選んでいるわけです。
Wii U版「タッチ!カービィ」の試遊映像を見ていたときに気がついたのですが
プレイヤーが描いた線にそって動くため、
物理の法則を無視して動いていきますし
ときに無茶な変形を起こしたりもします。
垂直に描かれた線にそって
粘土カービィがよじ登っていく様は
なんだか愛嬌が感じられました。
綺麗なグラフィックで不自然な動きが頻発すると
違和感が生じやすいのかもしれない、と思い至りました。
カービィがまっすぐに進んでいなくても
妙な動きをくり返していても
粘土でできた世界観だと味になり、
画面に馴染みやすくなっているのですね。
ゲームシステムからくる"動きの不自然さ"を
グラフィックの工夫でフォローしようとする試みではないかと予測しています。
◆「毛糸のヨッシー」の場合:
グラフィックの題材とゲームのシステムが融合している
2014年E3にあわせて公開された
「毛糸のヨッシー(Yoshi's Woolly World)」の映像です。
「毛糸のカービィ」を制作したグッド・フィールが
毛糸の世界観のヨッシー作品を手がけています。
「毛糸のカービィ」で培われたセンスと技術が
さらに磨き上げられているようです。スゴイですよね。
ヨッシーが主人公のゲームは
3DSとWii Uで2本同時に制作されていました。
近日発売予定の「ヨッシーNewアイランド」と
Wii Uの「Yoshi's Woolly World」です。
両作品ともグラフックの創意工夫が見られます。
「Newアイランド」は画用紙に水彩で描かれたような風合い、
「 Woolly World」ではすべての要素が毛糸できている世界。
両者には決定的なちがいがあります、
それはグラフィックの工夫が
ゲーム性に結びついているか否かという点です。
「Woolly World」は毛糸をつかった演出が
アクションゲームの面白みに繋がっています。
毛糸をほどいて通路を作る、
敵に毛玉をなげつけると毛糸がまきつくなどなど
毛糸というアイデアからうまれてきた可愛らしい演出とアクションのテンポが素晴らしい。
「毛糸のカービィ」開発時のノウハウが活かされており、
完成度のたかいゲームにしあがっていることでしょう。
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アクションゲームが苦手な人にもすすめたくなる温かみのある世界観は、
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