まじめな優等生から、コミュニケーション上手なリア充に変貌？ 任天堂の最新プロモーション活動を分析

発売から2年半以上の時が経過している状態で、

ここまでコストをかけられるのは「どうぶつの森」ブランドに相当自信があるからですね。

7月30日には3DSにて「どうぶつの森　ハッピーホームデザイナー」、

冬にはWii Uでパーティゲーム「どうぶつの森 amiiboフェスティバル」がでますので

今から年末にかけて盛り上げていこうという意気込みが感じられます。

「ただいまPLAY中！ワタシたちに効くニンテンドー3DS」という特設サイトがオープンしています。

きゃりーぱみゅぱみゅさんを改めて「とび森」CMに起用したのも、
特設サイトを用意したのも、
幅広い世代の女性層をとりいれたいという思惑があるんですね。
※2015年5月8日（金）決算説明会の社長説明を参照


女性が楽しめる3DS用ソフトを、
婦人誌むけのノリで紹介するコーナーがよく出来てますよね。

届けたい相手がよく知っている文脈で、
商品の説明文をあらたに書き直すのは良いことです。


相手にあわせて、言葉遣いや表現を変える、
これはコミュニケーションの基本だと思いますが、
いまの任天堂の宣伝スタイルにも必要とされているテクニックでもあります。


Nintendo News やニャニャニャ! ネコマリオタイムの試みは、
きめ細かなコミュニケーションが実践できている例になると思います。

継続して続けることで、
ユーザーと任天堂との間に親密度が高まっていますよね。


ただ上記のコンテンツは小学生がメインターゲットなので、
大人や女性むけにも同じような定期的に発信されるコンテンツがあればいいなあとも思います。

たまにゲームごとに開発者ブログが用意されていることがありますけど、
ゲームのタイトルごとの垣根をとりはらった
大人向けの読み物ブログがあったら面白いんじゃないでしょうか。ほぼ日みたいな雰囲気で。

そして最も注目してもらいたいのが、
“Nintendo for girls”というメッセージの中で着せ替えができるNew3DSが紹介されている点です。

New3DSとNew3DS LLの販売台数の差をみていると、
きせかえが出来る、という魅力は直感的に理解しにくいポイントかもしれないと考えてしまいます。

きせかえが出来るからオススメ、という言説よりも
女性向けの3DSにはきせかえ機能があるんですよ、
という説明のほうが厚みがあるのかもしれないと思いました。

これは上手いアプローチですよ。


商品名を3DS for Girlsにしてしまったら男性ユーザーが買いづらくなるかもしれませんが、
新たなネーミングでパッケージングし直してみても面白いかも。

個人的にはきせかえ機能を気に入っているので、
もっと売り出すために仕切り直してしまってもいいとすら思えます。

◆良いソフトは、もっともっと売れて欲しい

任天堂のプロモーション活動を観察したり、分析してログを残していこうと
思い立ちブログを開始してから3年半あまり。

任天堂の動向を追いかけながらずっと感じていることがあります。

それは、ソフトの売れ行きは出来不出来ではなく、
宣伝方法に左右されがちであるということです。


魅力が上手く伝わったソフトはよく伸びているのですが、
そうでないソフトは鈍く動く。

ツイッターなどで地道にファンが「面白かったよ」と布教をしても限界があります。
当然ですが、公式のプロモーションのほうが効果は大きいです。


いまのゲーム業界は、商品の宣伝方法にバリエーションをもたせるよりも、
ターゲットにあわせて商品を個別に用意する傾向にあると思います。

難しい難易度やマニアックなジャンルは男性向けにしあげる、
操作が簡単なゲームは子供や女性が好む世界観を用意する、など。


任天堂は口当たりはライトなのに、
踏み込んでみると奥深いなあと唸ってしまう作品をつくりだしているメーカーです。

幅広い年齢層と男女ユーザーを同時に狙い撃ちする商品が多く、
プロモーションするのが難しいのではないかと思うんですね。


ゲーマーに遊んでもらいたい程遊び応えがあるソフトなのに、
ライトなユーザー向けの商品であるという誤解をあたえてしまったり。

非常にもったいない状況がつづいていましたが、
最近のプロモーションには改善されてきているなあと感じています。



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